アイドルワイルドが訴える危機感:「ライブハウスは図書館のように守られるべきだ」

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スコットランドを代表するインディーロックバンド、アイドルワイルド(Idlewild)が、約6年ぶりに通算10枚目となる新アルバムをリリースし、再び音楽シーンに帰ってきました。彼らのキャリアは1995年にエディンバラで学生として結成されて以来、30年近くに及び、今やスコットランド国内で最も尊敬されるバンドの一つとして知られています。

しかし、彼らの喜びの裏には大きな危機感が隠されています。キャリア初期に腕を磨いたスコットランド各地の小さなパブやクラブなどの小規模な音楽会場(ライブハウス)が、近年次々と閉鎖に追い込まれているのです。アイドルワイルドは、これらの会場が次世代アーティストのために図書館のように公的支援と保護を受けるべきだと強く訴えています。

ライブハウスは「文化のコミュニティセンター」

ギタリストのロッド・ジョーンズは、小規模な会場の重要性についてこう語ります。
「文化にとって非常に重要であるため、図書館がそうであるように保護される必要がある」

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彼によると、これらの会場は「音楽ファンにとってのコミュニティセンターのような存在」であり、単なる演奏の場ではなく、アーティストが才能を育て、ファンが交流し、文化が芽吹く場所です。ボーカルのロディ・ウームブルとともに行ったBBCとのインタビューで、ジョーンズは新アルバムについて「30年にわたるキャリアを象徴する作品」と述べ、長く活動を続けられたのは初期に演奏できる場所があったからだと強調しました。

コロナ禍と経済的苦境:「失われゆく文化の灯」

近年、小規模音楽会場を取り巻く環境は厳しさを増しています。特に新型コロナウイルスのパンデミックによる長期休業は、多くの会場に致命的な打撃を与えました。失われた収益から立ち直れず、閉店を余儀なくされた場所も少なくありません。

この現象はスコットランドに限らず、世界中の都市で見られます。地価の高騰や騒音規制の強化、パンデミック後の経済的混乱が重なり、文化の基盤そのものが脅かされています。

  • 次世代アーティストの機会損失: 若手が経験を積む場が失われ、音楽文化の衰退を招く。
  • 都市の魅力の低下: ライブハウスの消失は街の活気と文化的多様性を失わせる。

図書館モデルに学ぶ「公的な保護」の必要性

アイドルワイルドが提唱する「図書館のように保護されるべき」という考え方は、文化政策に新しい視点を与えます。図書館が知識と文化へのアクセスを保証するように、ライブハウスもまた、社会を豊かにする公共財として支援されるべきだという立場です。

具体的な施策としては、以下のような方策が考えられます。

  • 文化施設としての公的認定と補助金制度の導入
  • 家賃や税制面での優遇措置
  • 防音・耐震などインフラ整備への支援

音楽を単なる娯楽ではなく、地域社会を育てる文化インフラと捉え直す――。それが、アイドルワイルドが提示する新しいメッセージです。

出典:BBC News “Idlewild: ‘Small music venues should be protected like libraries’”Idlewild Official Website

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