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オーストラリア準備銀行(RBA)のミシェル・ブロック総裁は、シドニーで開催されたオーストラリア・ビジネス・エコノミスト年次会合で講演し、世界の金融市場に広がる「過度な楽観主義」に強い懸念を示しました。インフレ圧力が続き、各国経済が減速の兆しを見せているにもかかわらず、株式や不動産を中心に資産価格が高値を更新している現状に、彼女は「多くの中央銀行家が当惑している」と語りました。
市場の楽観と経済の現実とのギャップ
ブロック総裁は、過熱気味の市場心理がリスクを過小評価している可能性を指摘し、「すべてが非常に悪い結果に終わる可能性はあるのか?」と問いかけました。さらに「一部の人々は、すべてが悲劇に終わるのではないかと懸念している」と述べ、リスクが連鎖する危うさに言及しました。
複合的リスク:悲劇的結末の可能性
世界的なインフレの粘着性、金利の高止まり、米中経済の減速、地政学的な緊張といった要因が、金融システム全体の脆弱性を高めています。ブロック総裁は、もしこれらのリスクが同時に顕在化すれば、資産市場の急落や世界的な信用収縮が起こる恐れがあると警鐘を鳴らしました。
中央銀行の責務:金融政策と透明性の維持
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一方で彼女は、「慎重な金融政策運営と透明なコミュニケーションが、こうした連鎖的リスクを防ぐ鍵になる」とも強調。RBAとしては、政策金利の判断を通じて市場の期待を冷静に保ち、必要に応じてさらなる引き締め策を講じる用意があることを示唆しました。
今回の発言は、ブロック総裁が就任以来もっとも強いトーンで市場に警告を発したものと受け止められています。中央銀行としての立場から、過剰なリスクテイクを抑え、金融安定を守る姿勢を明確にすることで、世界の投資家や金融当局に「冷静な現実認識」を促すメッセージとなりました。
 
  
  
  
   


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