オーストラリア、ビクトリア州西部の小さな町ナティマックで、地域社会に温かな感動を広げる出来事がありました。10歳の少年、ブロック・ミューエット君が自身の情熱の結晶である鉄道模型コレクションを展示するイベントを企画し、その収益を病気の子供たちの支援のために寄付したのです。
情熱の始まり:機関車トーマスから世界へ広がる鉄道愛
ブロック君の鉄道への情熱は幼い頃から始まりました。1歳の誕生日にプレゼントされた「きかんしゃトーマス」のセットがきっかけで、列車に夢中になった彼は、地元や州内の鉄道ショーを訪れ、鉄道模型の世界へと没入していきました。今回展示されたのは、彼が収集してきた235点にも及ぶ鉄道模型コレクションの中から選りすぐりの作品です。トーマスシリーズの機関車や鉄道レイアウトを駆使して、小さな町のパブ「ナショナルホテル」が1日限定の鉄道ギャラリーへと姿を変えました。
パブが変身:模型展が地域社会を一つに
普段は冷たいビールを片手に労働者たちが集うナティマックのナショナルホテルですが、この日ばかりは違いました。地元住民や家族連れが模型展示を楽しみに集まり、少年の熱意と細やかな模型の出来栄えに感心しました。展示場には60人以上の子どもたちが来場し、募金活動にも積極的に参加しました。金貨(ゴールドコイン)形式の入場寄付を行い、最終的に810豪ドル以上の募金を集めたと報じられています。
寄付の目的とその先:メルボルンの子供病院へ
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今回の展示の真の目的は、メルボルンのロイヤル・チルドレンズ・ホスピタル(RCH)およびその支援財団への寄付金を集めることでした。集まった寄付金は、病気と闘う子どもたちの治療や支援活動に役立てられる予定で、RCH財団の幹部も「どんな額でも重要な役割を果たす」と評価しています。ブロック君自身も「みんなが笑顔になるのが嬉しい。僕の列車で誰かの助けになれるなら最高だ」と語り、趣味を通じた利他的な行動が地域に連帯の輪を広げました。
今後の展開:年1回の恒例イベントへ向けて
地元パブのオーナーは、「想像以上の反響だった。子どもがアイデアを出して、それを地域が支援する姿勢が素晴らしい」と語りました。ブロック君は今回の成功を受け、「次回はもっと多くの模型を展示したい」と意欲を示しており、年1回の恒例イベントに育てたいと考えています。収益がさらに増えれば、遊びと社会貢献を両立する新しいモデルとなるかもしれません。趣味を社会貢献へと昇華させた10歳の少年の物語は、私たちに「優しさ」と「コミュニティの絆」の重要性を改めて教えてくれます。
出典:ABC News(記事リンク)

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