フランス司法の歴史的瞬間:女子生徒殺害で「仮釈放なき終身刑」を言い渡された初の女性

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要旨:パリの裁判所は、12歳のローラ・ダヴィエさんをレイプ・拷問・殺害した罪で、アルジェリア国籍のダフビア・ベンキレド被告(27)に、女性としてはフランス初となる「減刑のない終身刑(いわゆる仮釈放なし)」を言い渡しました。ただし理論上は30年経過後、仮釈放禁止の見直しを裁判官に請求できるとされています。

判決の概要と歴史的意義

2025年10月24日、フランス刑法上で最も厳しいとされる終身刑が女性に初めて適用されました。被害者の母デルフィーヌ・ダヴィエさんは「正義を信じ、それを手に入れました」と述べ、重い判決に安堵を示しました。判決は、事件の極度の残虐性や被害者遺族への計り知れない心理的損害を考慮したものです。

事件の経緯

事件は2022年、パリ北東部で発生。行方不明となったローラさんは、両親が管理人を務める建物のロビーに置かれたトランクから遺体で発見されました。捜査当局は、監視カメラ映像や周辺目撃情報などからベンキレド被告を特定し、拘束。裁判では、性的暴行や拷問にあたる行為が認定されています。

「減刑のない終身刑」とは何か

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フランスの「減刑のない終身刑」は、一般の終身刑(原則20年以上で仮釈放審理の可能性)と異なり、仮釈放を原則として排除する最も厳しい刑罰です。もっとも、理論上は30年後に仮釈放禁止の見直しを裁判所に請求しうる点が法技術的に付記されています。導入以来、適用は極めて稀で、これまで適用例の大半は男性被告でした。

社会的反響と論点

本件は、被告がフランスに適法な在留資格を持たなかった点も相まって、国内の反移民感情を刺激しました。今回の判決は、重罰化による抑止、移民政策と治安のバランス、人権と刑罰の妥当性など、複数の論点を社会に突きつけています。

今後の見通し

判決は確定すれば長期の収監が見込まれます。遺族・社会にとっては一区切りとなる一方、事件の教訓をいかに再発防止や被害者支援に活かすかが課題です。司法・立法・治安の各面で、極端に凶悪な事案への対処と、基本的人権の確保をどのように両立させるかが引き続き問われるでしょう。

参考リンク

The Straits Times: Woman becomes first to be given life sentence in France, after schoolgirl murder

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