英国でAIを活用した「チケットレス」鉄道旅行が始動! 未来の交通システムはこう変わる

科学・技術
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英国で、人工知能(AI)と位置情報技術を組み合わせた「チケットレス」鉄道旅行の実証実験が始まります。乗客は専用スマートフォンアプリでチェックイン(乗車)とチェックアウト(降車)を行い、当日の移動履歴にもとづき最適運賃が自動的に精算されます。ゲートや車内検札では、アプリが生成するバーコードを提示して通過・確認できる想定です。まずはイースト・ミッドランズの区間から開始し、試行ののちヨークシャー方面へも拡大見込みです。

交通システム改革の背景

英国運輸省(DfT)は、複雑な運賃体系の簡素化とデジタル化を方針化しており、今回の実証はその一環です。ロンドン圏の「タップイン・タップアウト」方式を全国へ広げつつ、地方路線ではGPS連動のペイアズユーゴー(PAYG)型を組み合わせ、紙・事前購入のモバイルチケットに依存しない新モデルを試します。運賃の事後最適化(ベストプライス保証に近い考え方)や、小規模駅でも導入しやすい仕組みが狙いです。

なぜ注目されるのか

  • 利用者の利便性:事前購入や券売機待ちが不要に。アプリが一日分の移動を集計して最適運賃を算出するため、思い立った移動がしやすくなります。
  • 事業者の効率化:紙券・機器維持のコスト圧縮に加え、需要データの精度向上でダイヤやサービス設計に活用できます。
  • 導入容易性:アプリが改札・検札用のバーコードを生成するため、既存設備との連携が取りやすい設計です。
  • 拡張性:イースト・ミッドランズでの試行後、ノーザンの路線(ヨークシャー方面)へ拡大予定。広域の一体運賃に道を開く可能性があります。

実証の主な仕様と対象

  • 開始エリア:イースト・ミッドランズのレスター—ダービー—ノッティンガム間など(EMR対象区間)。
  • 方式:スマホのGPSで位置をトラッキングし、チェックイン/チェックアウトをアプリで実施。日次で最適運賃に集計。
  • 改札・検札:アプリがバーコードを生成して提示(ゲート通過・車内検札に対応)。
  • 参加枠:各ルート最大4,000人規模のパイロット。
  • 開始時期:2025年9月1日開始予定。

今後の展望と課題

短期的には、位置推定の精度・トンネルやビル陰でのロバスト性、電池消費、オフライン時のハンドリング、ならびに不正利用検知(虚偽チェックイン等)の設計が論点です。
中長期的には、プライバシー保護(移動履歴の最小化・保存期間・匿名化)、苦情処理と誤課金時の救済、対価の透明性(どの条件で「最安」が適用されるか)といった運用ルールの明確化が不可欠です。また、対象エリア拡大と他社線連携、将来のGBR(Great British Railways)体制下での全国標準化に向けた制度設計が注目点となります。

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